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2024 年 1 月より、国際会計基準 (IFRS) 財団傘下の国際サステナビリティ基準審議会 (ISSB) が策定した 2 つの基準の適用が開始されました。これを受け、アジア太平洋 (APAC) 地域の多くの国・地域が ISSB に準拠する国内基準の採用に向けて動いており、2025 年以降、順次導入される予定です。
本レポートでは、APAC 地域における気候関連の規制制度を包括的に紹介し、それらを ISSB との整合度合いに応じて分類します。また、LSEG の気候データセットを用いて、ISSB 要件にマッピングできるデータポイントの開示率を分析し、同地域の企業の対応状況を評価します。最後に、金融機関や企業が気候変動対策において ISSB 準拠データを生成・利用するうえで役立つ LSEG データ&アナリティクスのソリューションをご紹介します。
本レポートのポイント
APAC 19 ヵ国・地域で気候関連の財務開示規則が整備されており、うち 13 ヵ国・地域は ISSB に準拠した規制を採択済みで 2025 年より施行予定、または ISSB に準拠した国内基準の公開草案を公表済みです。
APAC 地域では、企業の ISSB 対応が欧州に次いで進んでおり、ISSB 指標の開示率は地域全体で 15% となっています。比較的高い開示率の背景には、コア指標の開示状況が良好なことがあり、同地域企業が気候関連報告の基本をしっかり押さえていることを反映しています。
その一方で、ISSB 基準のうち、戦略的指標 (気候変動計画の指標や管理指標など) や財務指標 (気候リスクへの財務エクスポージャー、気候ソリューションへの資本配分など) といった高度で幅広い指標の開示については、大多数の企業が未対応です。
本レポートで使用したデータについて
LSEG 気候トランジション・データ (英語) は、投資家が気候変動リスクを効果的に管理し、グローバルな気候変動開示基準に準拠した投資戦略、ポートフォリオ、助言サービスを開発するうえで役立つ広範なデータセットです。公開気候データ指標、高度な分析、推定排出量モデル、さらにサードパーティ気候データを提供しています。
本レポートが金融業界にとって意味すること
TCFD 提言において提唱された気候関連財務情報開示は、現在では ISSB 基準で規定されており、投資、貸出、保険販売に携わる金融機関に対し、気候関連リスクの評価に役立つ情報開示を促進することを目的としたものです。本レポートでは、気候関連規制の概要や、LSEG 独自の投資家向けデータを用いた ISSB 指標の開示率を示すことで、金融機関が APAC 地域における ISSB 開示の普及に備え、自行の気候ファイナンス戦略に最適なデータポイントを見つけられるよう支援することを目的としています。
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