地球の気温上昇を 1.5℃ に制限するためには、グリーン投資を大幅に拡大させる必要があり、最近の研究は、2050 年までに 109~275 兆米ドルの投資が必要であると示唆されています。本レポートでは、FTSE Russell グリーンレベニューのデータに基づいて、上場株式市場のグリーン経済エクスポージャーが 1.5℃ シナリオにおいて、どのように成長していくかを探ります。
気候変動に関する機関投資家グループ (IIGCC) との協力により作成された本レポートは、株式ポートフォリオと気候ベンチマークに、グリーン経済エクスポージャーを構築するための投資家の思考を形作るのに役立つことを示唆しています。
本レポートの概要:
- 1.5℃ シナリオでは、2050 年までに 109~275 兆米ドルの累積投資が必要であることを示唆する最近のマクロ経済研究のレビュー。しかし、これらの推定値を上場株式市場への影響に変換する試みはほとんど行われていません。
- このようなマクロ経済推計を上場株式のグリーン経済エクスポージャーに変換するための 2 つのアプローチを提案します。
- 1.5℃ シナリオでは、グローバル・ベンチマークにおけるグリーン経済のエクスポージャーは 2020-30 年に 3 倍以上 (年率 1.4% ポイント) 増加と大幅に跳ね上がり、2050 年までに徐々に成長する (年率 0.3% ポイント) という分析結果を示唆しています。これは、1.5℃ シナリオにおいて、2050 年までにネットゼロエミッションを達成するだけでなく、地球温暖化を 1.5℃ に抑えるために 2050 年以前の累積排出量を上限とする排出量削減を早期に実現する必要性と一致しています。