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Adrian Murray
- クラウド上のプライシング・データやリファレンス・データには、常に最新でアクセスと接続が可能なダイレクト共有コピーがもたらすさまざまなメリットがある
- クラウド上のプライシング・データとリファレンス・データのよくある活用事例は、クラウド上に証券マスターを作成することであり、これは単一のゴールデン・ソースとなる
- クラウド上の証券マスターのメリットのひとつは、トランスフォーメーションの可能性をもたらす、複数のデータセットの統合が可能であること
プライシング・データとリファレンス・データをクラウドへ移行することで、金融サービス企業はフロント、ミドル、バック・オフィスにおいて、ビジネス上の大きなメリットを得ることができます。LSEG の Adrian Murray (Pricing and Reference Services Product Lead) が、トランスフォーメーション実現につながることの多い重要な活用事例である、証券マスターのオンプレミスからクラウドへの移行についてご紹介します。このアプローチを用いることで、企業はオペレーショナル・リスクを緩和しながら、データ・アクセスを民主化し、分析の開発、プロセスの自動化、イノベーション促進を実現できます。
クラウドベースのプライシング・データおよびリファレンス・データのメリット
クラウドホスト型のデータ・アセットには、常に最新かつアクセスと接続が可能なダイレクト共有コピーがもたらすさまざまなメリットがあります。クラウド上のプライシング・データとリファレンス・データのよくある活用事例は、クラウド上に証券マスターを作成することですが、これは単一のゴールデン・ソースとなります。クラウド上にこのような一元化されたリポジトリを構築することで、複数のデータセットを統合し、トランスフォーメーションの可能性を引き出すことができます。
分析、自動化、イノベーションをサポートする
クラウド上のプライシング・データとリファレンス・データを活用することで、分析や自動化、イノベーションの可能性が広がります。今日、各金融機関はクラウド導入に関してさまざまな段階にありますが、クラウド上で統合されたデータ・リソースの力を理解してクラウド導入に舵を切った金融機関は、ビジネスの真の価値を引き出すようなクラウド戦略を立てることができます。さらにクラウドに関して進化した企業については、クラウド上に証券マスターを構築することが重要な活用事例です。そうした企業は、複数のソースからデータを閲覧し統合する一貫した方法を得ることで、競争力を飛躍的に高めることができます。
データの有用性の強化と複雑性の低減
データをクラウドベースに移行することで、データとの関係はよりシンプルになり、生産性が高まります。例えば、Snowflake などのクラウド環境でリファレンス・データを使用する企業には、そのデータのダイレクト共有コピーがあります。そうした企業は、プライシング・データやリファレンス・データへのアクセスまたはその更新のために、フラット・ファイルを FTP や API 経由で処理する必要がないうえ、過去に使用しなければならなかった、テクノロジーの「プラミング」も不要となります。クラウドへの移行により、物理的なフットプリントを削除できるようになるため、サーバーの管理や物理的なハードウェアのアップグレードを行う必要がなくなります。
さらに、クラウド上のプライシング・データとリファレンス・データは、データの利用にともなう複雑性を大幅に低減します。例えば、LSEG が作成したデータへの更新は、即時にダイレクト共有コピーに反映されるため、手作業による更新の手間と時間を節約できます。また、企業はダイレクト共有コピー内のデータを照会できるようになるため、データをより効率的に活用して、価値を創出し、マーケティングにかける時間を短縮できます。
データの相互運用性と有用性の向上
クラウドホスト型のデータ・ソリューションを用いることで、相互運用性と有用性が向上します。企業はリファレンス・データをクオンツ分析や ESG データなどの他のデータセットと組み合わせることができます。Snowflake を介してダイレクト共有アクセスをすることで、一貫した方法でデータにアクセスできるようになり、各コンテンツ・セットについて独自の ETL プロセスを構築する必要がなくなります。
つまり、プライシング・データとリファレンス・データをクラウドへ移行することで、さまざまなメリットがもたらされ、それをもとに着実なクラウド戦略を立てられるようになります。データ・アセットはひとたび構築した後は、証券マスター・データベースの開発などの重要なクラウドベースの活用事例に組み込むことができます。
クラウド上に証券マスター・データベースを作成する
証券マスター・データベースは、取引条件やコーポレート・アクション、法人データ、証券メタデータ、シンボロジーなどに関する金融商品リファレンス・データを一元化したリポジトリです。シンボロジーは、証券マスター・データベースの内外の情報を結びつけるデータ・リレーションシップの作成をサポートするものです。
これまで、企業は証券マスターをオンプレミスで構築し、フラット・ファイルで更新していました。クラウドベースの証券マスターの場合、最新のリファレンス・データをベンダーから直接取り込む SQL クエリを使用して自動更新できます。
このデータの「ゴールデン・ソース」には、全社からアクセスできるため、フロント、ミドル、バック・オフィス間で一貫性のあるデータ利用が実現します。活用事例は、バックテストやポートフォリオ管理、戦略策定、リスク管理、コンプライアンス、清算と決済など多岐にわたります。クラウド上の単一のデータソースは、プロセスの自動化や人工知能の導入、効率的なデータ・ガバナンスもサポートします。
クラウド対応のデータを用いたイノベーション
クラウドに証券マスターを構築すると、企業はそれを単一のクラウド・コンテナ内で、LSEG のデータや自社内のデータ、サードパーティのデータと組み合わせることができます。この設定により、分析や自動化、イノベーションをより迅速かつ的確に行い、データ管理コストとオペレーショナル・リスクの両方を低減できます。実績のあるコンサルティング・パートナーと連携し、リファレンス・データに基づくクラウド・プロジェクトを実行することは、ビジネス上の目標達成の促進につながります。
企業がクラウド導入のどの段階にあっても、クラウド上のプライシング・データとリファレンス・データの統合は、ビジネスの目標達成をサポートし、新たな機会を捕捉するためのデータの利用方法を変革するうえで重要な第一歩となります。
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