企業が炭素排出量を削減するために採用する経営施策は、実際に削減効果が出るまでに数年かかる場合があります。
それゆえ、投資家は、現状の排出量という (量的な) 指標を補完するために、企業の気候変動への取り組みと経営 (施策) の質を測定する方法を必要としています。
投資家のみなさまへ
ここでは、FTSE All World Index の構成銘柄における Transition Pathway Initiative (TPI) のマネジメント・クオリティ (MQ) スコアと、スコープ1および2の炭素強度および絶対排出量の年率変化との関係を検証します。
私たちの分析では (他の全ての条件が等しいとして) 高いTPI MQスコアを持つ企業は:
- 排出量を削減する可能性が高く、
- TPI MQスコアが低いものよりも、大きな排出削減を実現します。
TPI MQ スコアは、経営陣の脱炭素化の意思を測る指標であり、将来の脱炭素化のための貴重なシグナルです。つまり、TPI MQ スコアは、投資家が将来脱炭素化する可能性が高い企業を特定するための有用なツールになります。
レポートの概要:
- TPI の経営品質 (MQ) スコアは、移行戦略に関する投資家と経営陣の間の対話へのデータとしてのインプットとして使うことのできる、透明で堅牢な評価メソドロジーに基づいています。
- 約 600 社のデータが TPI のウェブサイトで無料で入手でき、幅広いユースケースに対応しています。さらに、FTSE Russell は、2022 年末に FTSE All World Index の構成銘柄の 89%、時価総額の 94% 以上をカバーする、7,000 社以上の TPI MQ スコアを計算しています。
- 世界中で 130 人以上の投資家が TPI へのサポートを約束しており、その運用資産とアドバイスの合計は 50 兆ドルを超え、TPI MQ スコアは現在、 投資家コミュニティの間で気候移行のマネジメントを評価するために最も一般的に使用されるツールの 1 つとなっています。