Sarlota Hohwald
2 部構成となるシリーズ第 1 部のインサイトとして、今日のウェルス・マネジメント業界を形成している DX (デジタル・トランスフォーメーション) の動向を探り、AI、分析、増大するデータが、業界の民主化をどのように牽引するかを考察します。
- 自ら運用判断をする投資家は、より投資戦略の最適化にデジタル・ツールと AI を活用
- データ可用性の拡大により、投資判断の最適化と資産最大化につながる優れた機会が実現
- ウェルス・マネジメント企業とアドバイザーの成功に求められる、テクノロジーに精通した新世代投資家の変化するニーズへの対応について本インサイトで検討
AI がデジタル・ウェルスにもたらす影響
世界で加速する DX は、ウェルス・マネジメント業界の構築を支え、ウェルス分野でデジタル機能は不可欠な存在となっています。その重要性は、投資家の期待とともに高まる一方です。
投資戦略を最適化するために、デジタル・ツールと AI を活用する自己勘定投資が増えていますが、デジタルがもたらすスピード、効率性、365 日 24 時間の接続性を考えれば驚くことではありません。さらに、投資環境が AI によって再編されつつある今、テクノロジーの進化は一層ゲーム・チェンジャーとしての要素を高めています。
ウェルス業界において変化する選好や新たなトレンドを取り上げたこちらのリサーチでは、[1]プロバイダーの 69% が、AI によって業務の方法が大きく変わることに同意している事実が明らかになっています。加えて、プロバイダーのほぼすべてが、AI による自動化が「進んでいる」(48%)、または「導入中」(44%) と回答しています。
AI による自動化は、リサーチ、投資目的に基づく機会の特定、管理負荷のコントロール、リスク分散の実行など、幅広い業務に適用できます。
豊富なデータ – 課題と機会
そのような AI 革命と並行して、データ革命も急速に進み、現在ウェルス・マネジメント業界が利用できるデータやコンテンツは増え続けています。
データ可用性の拡大は、投資判断を最適化し、資産を最大化する優れた機会をもたらします。利用可能なデータが増えるということは、例えばセンチメント分析を取り入れ、何千ものグローバル・ニュースやソーシャル・メディア・ソースから市場の「パルス」を評価して、より多くの情報に基づいて投資判断を行えるということにもつながります。
しかし、データの増加には課題もあります。ウェルス・マネジメントの関係者は、データと情報の負荷に苛まれ、さらにこの負荷は市場のボラティリティの高まりや、動的で絶え間ない変化などの要素によって増加します。ノイズの中からシグナルを特定する能力が不可欠となり、つまり増加する情報量を適切に管理することが重要であると示唆しています。
また、投資家は、投資判断に必要なデータやコンテンツを入手できていないと感じています。オンライン・ブローカー、銀行、ウェルス・マネジメント企業、自ら運用判断を行う個人投資家向けのプラットフォームを提供する企業には、信頼性の高いデータ、高度な管理ツール、分析を提供できる余地が大いに残っている状況なのです。
大量のデータから関連性の高い情報を絞り込む能力によって、データの真の価値は発揮されます。これはウェルス・マネージャーもアドバイザーも投資家も同様で、投資機会を正しく特定し、リスクに対処し、より良い投資判断を下すことが可能になります。データの可用性が高まっただけではなく、フィンテック製品の民主化にともない、投資家は高度なツール、付加価値分析、予測財務モデルなどを容易に利用して投資判断とリスク管理を自ら最適化できるようになっています。
ノイズの中からシグナルを見つける
常に変化し、競争の激しいデジタル・ウェルス・マネジメント業界で成功するためには、デジタル機能を活用することで包括的なデータにアクセスし、カスタマイズされたインサイトを利用する必要があります。これにより、長期的な成功に向けた投資アイディアや投資判断が可能となります。
LSEG は、ロイターなどの主要なグローバル・ソースが配信する独占コンテンツとともに、お客様のニーズに沿った ESG 投資情報やニュース、市場における最重要分野の情報、インサイトをパーソナライズするデータ、分析、ツールを提供しています。
先進的なAIを活用してスピードと効率を高め、市場をリードするコンテンツにより、信頼性の高い包括的なデータと的を絞った分析を提供し、投資家やアドバイザーの皆様がノイズの中からシグナルを見つけられるようサポートするのも当社の役目です。また、柔軟な配信とオムニチャネル機能は、進化する投資家やアドバイザーのニーズに対応します。
本シリーズの第 2 部のインサイトはこちらからお読みください。ここでは、デジタル機能とパーソナライゼーションのバランスの重要性を考察しています。
[1] LSEG の依頼により ThoughtLab が調査。この 2023 年のリサーチは、投資家と投資プロバイダーへのグローバル規模のアンケート調査を含み、国、資産レベル、年齢、ライフスタイル、職業、ジェンダーなどの特徴を不問とした 2,000 名の投資家へのアンケート調査に基づく。
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