規制対応とビジネス推進は両輪として行なわれなければならない
一般的な解釈として、オペレーショナル・リスクは金融機関における業務過程で生じる損失や損害を指し、オペレーショナル・リスク・マネジメントは、これに対する次善策の策定と実行と考えられます。
現在、大企業をはじめとする様々な企業は、海外進出によって現地法人の数を増やしたり、M&A によって異なる文化をもつ企業を受け入れるなどし、企業価値を高めるような取り組みを推進しています。一方で、このことは、多様なリスクを内包する恐れもあります。
たとえば、国際市場でのビジネス環境においては、グローバルな規制強化と各地域ごとの独自の法規制の創設が活発になっており、それらへの対応を遅滞なく行なわなければならない、というプレッシャーが高まっています。
当然、この中には、国内の規制や他地域の域外適用への対応も含まれます。このように高まり続けるコンプライアンス・リスクに対して、現状の管理体制では限界を感じている企業も少なくないでしょう。
LSEG では、大企業に内在するリスクを大きく次のように分類しています
- 人的リスク : 汚職や内部不正への加担、ボードメンバーなど重要人物に降りかかる想定外の事故
- システム・リスク : システムバグ、ハッキング、クラッキング、自然災害等によるサーバーダウン
- プロセス・リスク : 業務の過程で起こり得るあらゆるリスク
- サードパーティー・リスク : 関係機関や協力機関が発生させるあらゆるリスク
組織にとって最適なオペレーショナル・リスク・マネジメントを実現するために
オペレーショナル・リスク・マネジメントにおいて、企業が独自の判断基準を確立し、自分たちにとってのリスクを特定することは極めて重要です。
しかし、リスクを特定するにあたり、モデルケースや参考になるものは、残念ながら望めないでしょう。ビジネスの内容、経営方針、海外展開のエリア、投資内容の構成などが自分たちの組織と全く同じものが存在し得ないからです。
そのため、マニュアルに沿った通り一遍等のリスク対策ではなく、独自の判断に基づいてリスクを明確化し、優先順位付けした上で対策を行なうことが強く求められます。具体的なステップとしては、リスクを棚卸ししたあと、その分類を行ない、関連する内部要因と、各種監督機関から発せられるガイドライン等への対応や自然災害、世界情勢まで幅広い外部要因を、紐付け直す必要が出てきます。これに加え、「自社がこのリスクを回避するにはどのような対策が必要か。それはどこまで実現可能で、不可能な場合どのような代替案が考えられるか。どのくらいのリードタイムが必要か」を踏まえ、いくつかの次善策を用意することも肝要となります。
こうした不断の努力は、たとえば、可及的速やかに判断を下さなければ自らの損失を拡大させてしまうと確実視される状況において、ボードメンバーが揃わないといった危機的状況への対応に有利に働くことでしょう。
つまり、この一連の取り組みを深化させることは、企業のレジリエンシーを高めることに貢献するというわけです。
リスクの特定、ギャップ分析、ロードマップの策定は一度で終わらない
前述の通り、金融機関や企業にとってのリスクの軽重は、様々な社会の変化に応じて刻一刻と変化することもまた事実です。ひとつのプロジェクトに対して紐づく子プロジェクトの動きもまた、それぞれに多種多様なリスク要因と密接に結びつき、それらもひと時として同じ内容ではあり得ません。
適宜、社会のインテリジェンスを収集し、それが引き起こす自社への影響を勘案し、それに応じてリスク度合いを変化させ、適切な対応ができるように環境を整えることが、安全なビジネスには不可欠だと言えるでしょう。
LSEG では、このようなリスク管理をサポートするため、世界情勢や規制動向などを素早く収集し、自社の設定したリスク項目に対しての影響度を自動的に判定し、必要に応じてアラートを発するようなソリューションを提供しています。
オペレーショナル・リスク対策
お客様の既存システムのデータを活用し、包括的にリスクを可視化
各部門のニーズに応え、全社的な情報共有、データの一元化により、リスクの統合管理を実現
お客様の組織構造に業務プロセスをマッピング。重要なリスク情報は、ワークフローと自動化されたデータ・フィードを通じて、常に更新されます。問題発生後、自社にとっての最大リスクを素早く判定し、リスク許容度や代替プランの適用可能率がどの程度か、瞬時に表示します。
総合的なダッシュボード・ビューを開き、重要なポイントを見極めてから、さらに詳細レベルまでドリルダウンできます。
SNS の話題や LSEG またはサードパーティーのコンテンツにより、リスク度合いを評価して軽重を管理します。
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