SCM の新たな潮流
製品物流に限らずあらゆる分野で、グローバリゼーションは進んでいます。1 つの製品やサービスを提供するにあたり、自社で一貫して対応することは難しく、他社や他地域を巻き込んで網の目のように張り巡らされたサプライチェーンが相互に関連するのが今日のビジネスだと言えるでしょう。
そうした中で、SCM には従来とは異なる多様なリスクへの対応が求められるようになってきました。これに対し、特に日本企業は、国内で経験したことがないような困難に直面するケースも少なくありません。
グローバルなサプライチェーン・リスクとは?
サプライチェーンを構築するにあたり、外部委託やBPO (ビジネス・プロセス・アウトソーシング ) を行なうことは珍しいことではなくなっています。コスト削減や短納期化だけでなく、工場建設等の投資を少なくし、技術力を向上させ、製品のバリュー・プロポジションを高める意味でも、最新の技術環境が整ったサプライヤーとの連携を願うことは自然な流れだと言えるでしょう。しかし、このように 1 つのモノやサービスをつくる際に関わるプレイヤーが増え、関係する国や地域が広まるほど、サプライチェーンリスクは拡大していくと懸念されます。たとえば、従来から「日系企業進出に関する規制」「現地労働者の雇用・商習慣の違いに基づくビジネスの停滞」といったことは、問題視されてきました。
これに加えて、製造物の品質管理についても注意を怠ることはできません。
特に、B2B 向けの製品については、それを利用して新たに製造される商品やサービスの質を左右することになるため、場合によっては企業間の訴訟問題にまで発展する恐れがあります。さらに、技術流出や模造品が出回ることは収益に直接影響する問題と捉えられます。また、「国際商取引における外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約」や、AML/CFT に関する FATF (金融活動作業部会) 勧告など各種国際規制に端を発する国内法と各国当局による活発な域外適用への対策は、企業にとって存続を左右するものだと言えるでしょう。
このため、企業の中では、組織としてのサプライヤーはもちろん、その経営者個人や関係先に対するデューデリジェンスを徹底し、実際に BPO に組み込んだあとにも定期的なスクリーニングを行なうことが一般的になりつつあります。
広範囲化するサプライチェーン・リスク・マネジメント
さらに、BPO が抱える「労働搾取」「奴隷労働」「児童労働」「不当な価格での取引」といった事柄についても、企業は責任を負うべきだ、との考え方が広がってきています。これは、2006 年に示された「国連責任投資原則 (PRI:Principles for Responsible Investment)」からの変化だと言えるでしょう。
機関投資家たちは「持続可能な開発目標 (SDGs:Sustainable Development Goals)」に積極的な企業への投資を優先させるようになっており、これを受け、企業側の中には「サプライチェーン全体を通じて、環境整備や人権尊重、労働環境の改善に取り組まなければならない」との機運が高まり始めています。
つまり、法律や規制に違反するリスクだけでなくインテグリティ (誠実さ、高潔さ) も、サプライチェーン・リスク・マネジメントに欠かせない要素になっている、というわけです。これは、CSR活動という意味合い以外に、「レピュテーション・リスク (風評被害のリスク) 」を回避するという側面も持ちます。
ブランドの姿勢や価値観に対して親和性を持っている生活者が、それに反する振る舞いをするサプライチェーンで製造されている商品を掴まされていたのだと知れば、ネガティブな反応に結びつくことは想像に難くないものです。 製品の品質等、購入者が直接的に損害を被るケースだけでなく、原材料の調達や製造過程においてサプライヤーが不正や不祥事など社会通念上許されない行為をしていたことが露見すれば、その当事者よりも“顔”となるブランドに真っ先に怒りの矛先が向くのが今日の社会的風潮であることは周知の通りです。企業や経営者は、ブランドの保持と中長期的な収益確保の観点からも、サプライチェーンの末端に至るまで管理責任を果たす必要が出てきた、と言えるでしょう。
このほか、複雑に入り組んだサプライチェーン内に存在するリスク対策だけでなく、最近では、国の通商政策の転換や個人情報保護の規制への対応といった変化によって「サプライチェーンを再構築せざるを得ない」という事態に直面することも少なくありません。これらを想定し、自社がどのようなアクションを取るか、事前に深く検討する必要が高まってきました。
グローバル・サプライチェーン・リスクマネジメント
LSEG では、グローバル・サプライチェーン・リスクの変化に対して、以下のソリューションを提案します。
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